『F-32(2)調整必要でした』のクチコミ掲示板

[naro.]

ショートスケール(630mm)を触りたくなりF-32(2)新品を入手しました。
ナット部の指板幅は43mmなので、それは一般的です。

入手したのは、全国に店舗展開している大手楽器店です。
ある店で同じモデル２つを試奏させてもらいました。するとサンバーストのほうが
鳴りがいい。でもデザイン的にはナチュラルのほうが好きだし、
あとで調整すればいいやと、ナチュラルを購入。

持ち帰ってみて、ネックをながめると、なんと、逆反りぎみ。
ロッドを、左におよそ１回転させるとサスティンがよくなりました。
店頭にあるモデルは、ちゃんと鳴るようにしておいてほしいと思いました。

さて、ボディが小さめにしても、まだ鳴りがよくない。
弦交換してみても、まだまだ。弦ではなさそう。
弦鳴り感が強く、ボディが鳴ってくれてない。
おまけに、５弦６弦はテンション不足か、弦が死んだような音。

そこで、サドルを交換してみることに。

このF-32にはもともとTUSQサドルが装着されてます。
2弦のみ調律オフセットで下がっているタイプ(PQ-9200-C0に酷似）です。
6弦のテンションを上げるためには、6弦も下がっているタイプがよいので、
手持ちのPQ-9280-C0に交換しました。
PQ-9280-C0は独立した山を形づくってるタイプで、頂点としては2弦が下がり、
5弦が中央で、6弦も下がってる形状です。
そのままでは装着できないので、低くするためにサンドペーパーで底面を
かなり削り、溝に入るように厚みも少し削りました。
ネックはまっすぐ（やや気持ち順反りぎみ）にしたので、
サドルは元のものより低めにして、
最終的に弦高は6弦12fを2.2mmくらいに。

さて、これでかなり鳴りが変わりました。
１本１本の弦が、ギターらしい艶やかな音を出してくれるようになりました。
サドルの底面や頂点の処理の差異ではないかと思っています。
あとは、材の経時変化でさらに鳴りがよくなっていくことでしょう。

このモデルは安価でビギナーが入手することが多いと思います。
同じ価格帯でも、YAMAHAはきっちりつくってあって、手をかける必要はないくらいですし、
シマムラのJamesはどの固体もそのまんまでよく鳴ってくれます。
今回のF-32の体験でいえば、誰がこのモデルを買っても充分にギターを楽しめる
状態にして販売してほしいと思いました。

木製品であることと、安価な製品であることから、固体差、ばらつきもあるでしょう。
しかし、数万円というお金を払うのは購入者です。ユーザーの立場に立った商品を
提供するということを、製造者、販売者ともこころがけてほしいと思いました。
特に販売店のスタッフには、楽器を、金属やプラスチックでできた家電と同じ水準で
認識していてほしくないです。自分の店に出しているモデルは、弦高やネック反り
などで異常がないか、確かめた上で販売してほしいものです。
大手店でも、店によってはそれをしているスタッフもいます。
しかし、アコギについて知識のないまま、ただ買ってくれというばかりのスタッフもいます。

食品や、自動車のように、ヒトの安全に直接関わる製品を製造・販売する上では
緻密なものが要求されますが、楽器販売は、売ってしまえば終わり、
そんな感覚があるのではないでしょうか。
もちろんユーザーも、良質な製品を提供しているメーカー、販売店をみわける力も
必要でしょう。

書込番号：7195005