ある天文誌を見たところ、天体観測向けの双眼鏡としてビクセンの8×42が紹介されていました。理由としては「7×50は星の背景の黒が白けやすいから」とありました。この件は7×50としては原理的なものでしょうか?それともプリズムの品質等に問題でもあるのでしょうか?また、どうゆう人には7×50が向いていて、どうゆう人には8×42が向いているといった判断基準があるのでしょうか?教えてください。
書込番号:13915639
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高倍率で見る望遠鏡に比べて低倍率で視野の広い双眼鏡の場合、光害などによるバックグラウンドの明るさの影響を受けやすいんです。
一昔前まで人間の瞳孔が暗闇に対応して開いた時の瞳径が7ミリくらいといわれ、それを最大限活用するのに7×50が良いとされてきましたが、昨今の光害の多い日本の夜空において、それではバックグラウンドの明るさまで拾ってしまって肝心の天体のコントラストが低くなって見え味が悪くなるので、今では光学系側の瞳径が7ミリより少々小さい方がバックグラウンドが暗く締まって対象がコントラスト良く見えるとされています。
また、瞳孔が7ミリまで開くといっても個人差があり、そこまで開かない人の場合は無駄になった光量は双眼鏡内での乱反射等、これまたコントラストを低くする原因にしかなりません。
そのほかにも、カメラレンズの絞り開放より少々絞った方が諸収差が低減されるのと同じで、暗めの光学系の方がより安価に収差補正しやすいというようなこともあったかと思います。
よほど空の綺麗な、ライトを点けないと手元も見えないような素晴らしい場所で星空を見るなら7×50の性能も発揮出来るかもしれませんが、今の日本でそんなところで使える場面はほとんどないでしょうし、いつでもどこでもという手軽さと、肝心の天体の見え味を両立させようとすると、8×42くらいの瞳径がバランスが取れているということかと思います。
書込番号:13916073
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