


デジタルカメラ > CANON > PowerShot G10
キヤノンのAWBが正確なのは周知だと思いますが、
補正が正確すぎるためシャドウ部にかけて墨(ニュートラルグレイ)になりすぎて、
結果的に、硬く粗い調子に見えてしまうことがあります。
シャドウ=黒には、大別して3種類あって、
1つは偏りのないニュートラルグレイ系の「墨」で、プリンタのBK、Kがそれにあたります。
残りの2つは、焦げ茶系にシフトした「温黒調」とスカイブルー系にシフトした「冷黒調」です。
温黒調・冷黒調は、読んで字の如く、暖かみの感じる黒と、冷ややかさを感じる黒のことで、
人間の眼でいうと墨系で黒を感じることは少なく、大抵の場合は多少の温黒調で階調を感じており、
快晴時の日陰など色温度の高いシチュエーションで冷黒調のシャドウを感じているのが実情です。
ヨーロッパでは比較的温黒調が好まれ、アメリカでは若干の冷黒調が好まれるなど地域的な特性もあり、
俗にいう「ライカ調」はAGFAなどと同じドイツ系の温黒調のトーンが基本となります。
このライカ調をベースに、独自のトーンアレンジで好評を得たのがリコーのGRレンズです。
確認はしていませんが、コシナが作っているというのが当時もっぱらの噂でした。
コシナのトーンは、ライカ調からイエロー系の濁りを取り除いたトーンで、
GRレンズは、それに若干の赤みとコクを加えたイメージでGRDシリーズにも引き継がれています。
この「GR調」をフラットなG10の画像でシミュレートするとどうなるか?というのが今回のネタです^^
基本はキヤノンのAWB対策なので、厳密なシミュレートではなく、
G10の特性とGRDの特性を照らし合わせて、使い勝手の良いトーンカーブ補正設定を行うものです。
ですから、G10とGRDを撮り比べて「G10にこの補正をかければGRDになる」話ではありませんので、
趣旨をご理解の上、補正前と補正後の添付画像を見比べてみてください^^
(続きます)
書込番号:13129445
5点

全体の階調をまず調整する |
R特性:ハイライト側を少し落としてシャドウ側の赤みを活かす |
G特性:ハイライトとシャドウを少し上げ、中間域を下げて濁りを消す |
B特性:シャドウを下げ温黒調にし、ハイライト側を上げてスッキリ感は維持する |
まずは、全体の階調特性ですが、GR調よりもライカ調を若干意識しています。
G10は階調をしっかり拾うカメラですので、シャドウ部の末端は締めながら起こし、
そのバランスを取るべくハイライト側を少し抑え気味にしています。
ポイントの座標は以下の通りです。
0.0,6.7,30.27,57.51,80.76,127.127,156.160,200.205,255.255
次にカラー特性ですが、G10は赤みが出過ぎるのを押さえる方向性があるように感じますので、
赤みを鬱陶しくならない程度に出してあげて、黄色味を抑制しながら青を綺麗に活かす方向で調整します。
まずは赤チャンネルですが、今回の主賓なので、ハイライト側で出しゃばるのを押さえる下げ以外は、
0.0から始まる比例直線で、カーブ自体はいじりません。
RGBは相対的なバランスですから、GBの調整で赤みをコントロールするということです。
まずは、全体の階調特性ですが、GR調よりもライカ調を若干意識しています。
G10は階調をしっかり拾うカメラですので、シャドウ部の末端は締めながら起こし、
そのバランスを取るべくハイライト側を少し抑え気味にしています。
Rポイントの座標は以下の通りです。
0.0,252.255
緑チャンネルは少し複雑です。
まずシャドウ部を少し上げ、シャドウ階調にマゼンタ味が出てくるのを防ぎます。
中間域は逆に少し下げ、緑味による濁りが出るのを抑えて、
ハイライト部ではまた少し上げて、ハイライトにマゼンタかぶりが出るのを防いでいます。
Gポイントの座標は以下の通りです。
1.0,126.128,255.254
青チャンネルは、中間域よりシャドウ側では黄色味を出す方向で、
ハイライト側では抜けの良い青みを維持する方向で調整します。
Bポイントの座標は以下の通りです。
0.4,127.127,255.247
全体の階調含め、シンプルながら微妙な補正ですので、ひとまずポイントの数値を入力して試すことをお薦めします。
(続きます)
書込番号:13129567
5点

実際にGRDで撮ると、もう少しシャドウディテールが潰れ気味になって、全体の色乗りを稼いでいるとお思いますが、
その手の後調整手法はこれまでに何回も紹介してきたので、今回はディテール重視の階調です。
カラートーンでいうと、極シャドウは元画像レベルで締めておいて、シャドウ側は温黒調に若干シフト、
中間域は黄色味が出しゃばらないようにバランスを取り、ハイライト側はスカイブルーの抜けを重視しています。
GR調の素の雰囲気の良さをシミュレートしているので派手な補正ではありませんが、結構使えると思います。
16bit階調変換をしててきようすれば、元画像の下ごしらえ的な補正としても使えるはずです^^
(続きます)
書込番号:13129612
5点

他の画像への適用例です。G10の良さを残しながら、トーンや色調が微妙に違うのが判ると思います。
今回は素のG10の画像が必要だったので、G10購入最初期のJPEG画像を使っていますので、
マイカラーセッティングなどがされている画像ならもう少しコクが出るはずです。
ダイナミックな効果をもたらす調整ではないですが、
日々使うのに適したトーンカーブですので、是非多試してみてください^^
(おしまい)
書込番号:13129654
5点

ちょっと眠い状態でアップしたので所々アレですが、数値的なミスはないので笑って流してください^^;
とある画像をGR調に仕上げるのであれば、もっと派手な補正でそれっぽくということになると思います。
今回は「GRのアドバンテージ=単焦点ゆえの階調の柔らかさ」を、
「G10の良さを殺さずに取り入れる」のが1つポイントです。
シャドウ部の色転びに関しては、もっとシンプルに説明できるトーンカーブにしたかったのですが、
やはり「実際に使えるトーンカーブ補正」にしたら少し判りづらい補正になってしまいました。
この部分は後日「基本的な要素」を中心として別に説明しますね^^;
書込番号:13130347
5点

ダイヤル大好きさんから
「こんな補正、うちのGRDIIIの絵とちゃう」
と、じゃりんこチエばりなご指摘が入ったので、
ドランクドラゴン塚地ばりに、
「こうしたいんやろ?こうしたいんやろ?こうしてこうしてこうしてこうして、こうしたいんやろ?」
という補正を作りました。
最初の補正気に入ってるんですが、違うと言われちゃ仕方がない・・・^^;
書込番号:13135804
2点

で、種明かしをしますと、技の1号と力の2号は、カラー補正に関しては全く同一です。
>自分によくわからなかったのは「階調特性」ってとこですね。
つまり、ココが違います。
階調特性=階調のトーンカーブ(Photoshopでいうとこの「RGBチャンネル」)のことです。
1号は、極シャドウを締めたまま、シャドウ域の階調を拾い、ハイライト域の階調も出すように調整してあります。
これだと、変な色転びや被りがあると、緩くて偏った変な色調になるのでかなり気を使ってカラー調整を組みました。
2号は、シャドウ部は落とし気味にして締め、ハイライトは軽く飛ばして判りやすいメリハリを付けています。
これはなんというか、結構安易な(だからこそ普遍的に受け入れられる)絵のまとめ方で、DRを狭めています。
つまり、1号と2号の階調トーンカーブは(曲線を見たとおり)「真逆」の補正になっています。
DRが狭いはずのG10の撮像素子の画像を、DRが広いはずのGRDIII=G11/12の撮像素子の画像のように出すために、
「わざわざDRを狭めている」(笑)というわけです・・・^^;
つまりDRの広い出力って一般受けが悪いんで、GRDIIIやG12では、わざとDR狭めた絵作りがされています。
#G11では比較的撮像素子の性格のまま出力されているように思います。
一応、2号の階調トーンカーブのポイント座標です
0.0,6.7,25.27,45.51,71.77,127.127,164.160,210.205,255.255
Rポイントの座標は以下の通り(1号と同一)です。
0.0,252.255
Gポイントの座標は以下の通り(1号と同一)です。
1.0,126.128,255.254
Bポイントの座標は以下の通り(1号と同一)です。
0.4,127.127,255.247
書込番号:13135884
3点


2号補正の補正サンプルです。
結局、G10の弱点というのはノイズだけで、DRは必要充分なだけはあります。
もちろんG11/12(GRDIII)の撮像素子の方がDRは広いですが、普通それほどDRの広さを必要としていなくて、
G12/S95で採用されたDRコントロール(最適化)機能は、大抵の場合DRを狭めて最適化しています。
フィルム時代にISO100富士フィルム「リアラ」という大変DRの広い高画質ネガフィルムがありました。
高画質ということで結構手を出す人が多かったのですが、大抵はDRを生かせず「ただただ眠い」写真になってました。
実際リアラが生きるのはスタジオでのポートレート撮影など照明のコントロールが完全に効く環境で、
手焼きであれば、化粧や脂肌などで思いのほか飛び気味になっても紙焼き時に修正が利いたので大変便利でした。
G10(の撮像素子)が拾っている階調というのはDR以上に凄まじいものがあって、
1号補正のように本来ならトーンジャンプ気味になる補正でも、階調がきちんと出てきます。
#今回はプレーンな画像が欲しくて、サンプルは全て初期に撮った8bitJPEG画像を使用しています。
これと同じ補正をFX150にかけると、RAW画像からでもトーンジャンプ気味になります。
つまりは、8bit階調ですらフルに活かせていないデジカメって多いいんです・・・
そういう部分ぜんぶひっくるめて「GRD調というよりライカ調」とたばかって1号補正を出したんですが、
ダイヤル大好きさん、実も蓋もない突っ込みするから・・・^^;
#@とやまんさんばりの「大人の」解釈を是非(笑)
でも2号補正もG10用という意味では「有り」です。
キヤノンの技術者が、何を考えたのか見事に「フラット」に作りきってくれたG10です。
是非、どこかの教則本的な「?」なフォトレタッチでないレタッチで愉しんで下さい^^
書込番号:13136001
3点


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