BD(あるいはDVDやデジタル放送)は映像情報がYCbCr=4:2:0というフォーマットで記録されています。
これは限られた帯域を有効に使うための圧縮方法ですが、実際に無圧縮のYCbCr=4:4:4とYCbCr=4:2:0はどの程度違うものなのかはあまり知られていないと思います。
元絵は(A)の左上の画像です。この画像の輝度をサンプリングした画像が左下のLuma(Y)で、色をサンプリングした画像が右下のChroma(CbCr)です。つまり、LumaとChromaの画像は左上の画像の輝度と色を分離したものです。
(B)の画像は輝度4点に対して色をCb/Cr共に4点サンプリングした画像です(YCbCr=4:4:4)。すべての点の輝度と色を保持しているので、この画像は原画像と同じ情報を持っています。
(C)の画像は輝度は輝度4点に対し、色は2点(ただし、Cb/Cr各1点づつ)しかサンプリングしていない画像です(YCbCr=4:2:0)。
(C)の画像の色情報は(B)の画像の1/4しかないにもかかわらず、両者には大きな違いがないように見えます。これは人間の目が輝度の変化に敏感で、色の変化には鈍感であることが理由なのですが、もちろん、よく見れば違いが判ります。
例えば、この画像のChromaの中で最も目立つ部分(言わずもがな、シャンパンの瓶の赤いラベル部分)が両者の違いが最も顕著に現れる部分です。
この部分の拡大した画像を掲載しました。
つづきます。
書込番号:10512790
26点
(ア)がYCbCr=4:4:4の拡大画像、(イ)がYCbCr=4:2:0の拡大画像です。
Chroma画像はCbとCrに分離してあります。(イ)の画像のChromaはLumaに比べて1/4の解像度しかないことが判ります。更に、カラー画像を見比べると4:2:0では画像の輪郭がはみでて滲んでいるように見えます。(この部分は最も目立つ部分ですが、(B)と(C)を拡大して見比べれば全体的に発生していることが確認できます)
この劣化を最小限に抑えるために、Chroma信号のリサンプリングを行う処理がクロマアップサンプリング(Chroma Upsampling:用語はメーカーによってまちまちのようです)です。失われた情報を完全に元にもどすことは出来ませんが、周囲の色情報や前後のフレームからの情報を使って色解像度を向上させることで色の滲みを抑えることができます。
ただし、見ての通りこの劣化は人間の目の特性を巧みに利用したものということもあり、気付きやすい部分と気付きにくい部分とがあります。確かに劣化はあるものの、逆に言えばその程度の差しか無いとも言える違いではあります。今回の例は少し極端な例(クロマアップサンプリングを全く考慮しない画像)なので、実際のBDプレーヤーではどんな機種でもなんらかの形でクロマアップサンプリング処理は行われています。
※ちなみに、上記はすべてプログレッシブ信号が前提の話ですが、インタレースのビデオ信号の場合にはICP(Interace Chroma Problem)と呼ぶ未解決問題があります。これについてはPanasonicに一日の長がありますが、インタレースのビデオ信号には他にもいろいろ問題がある(最たるものとしてはプログレッシブ化によって発生するコーミングノイズ)のでここでは触れずにおきます。
書込番号:10512795
45点
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