


このスレを立てたのは
http://bbs.kakaku.com/bbs/K0000298087/SortID=14294646/にて、
アッテネータ使用によるイヤホンの音質変化について
興味はあるけど知らないという方が多いようだったからです。
とりあえず最も重要と考えられる周波数特性の変化についてのみ取り上げます。
まず、イヤホンにアッテネータを追加したとき実際にどのような変化が生じるのか示し、
その後で簡単なモデルを用いてこの変化について説明します。
書込番号:14315288
26点

画像は実際にイヤホンにアッテネータ(75Ωの抵抗が入ったケーブル)を使って
イヤホンの周波数特性がどう変わるかを測ったものです(ヘッドホンアンプはHP-A7)。
書き忘れていますが縦軸は音圧(dB)、横軸は周波数(Hz)です。
シングルBA型のAURVANA In-Ear2では周波数特性が大きく変化し高音よりになります。
一方、ダイナミック型のMDR-EX0300でも僅かに高域は増強されますがBA型とは異なり影響はかなり小さいです。
他のシングルBA型やダイナミック型のイヤホンにアッテネータを使用したときも影響はそれぞれ同様の傾向になります。
書込番号:14315355
28点

今度の画像はAURVANA In-Ear2とMDR-EX0300のインピーダンスを示したものです。
また書き忘れていますが縦軸はインピーダンス(Ω)、横軸は周波数(Hz)です。
アッテネータを使用したときの周波数特性の変わり方と相関があるのが分かると思います。
一般的に、イヤホンやヘッドホンにアッテネータを使用すると
インピーダンスが高くなっている周波数は相対的に強められ、
逆にインピーダンスが低くなっている周波数は弱められます。
次の二つのサイトには多くのイヤホン、ヘッドホンのインピーダンスのデータがあり、
アッテネータを使用したときの周波数特性の変わり方を予測するのに使えます。
・GoldenEars http://en.goldenears.net/GR_Earphones
・innerfidelity http://www.innerfidelity.com/headphone-data-sheet-downloads
次はこうなる理由について解説します。2レスくらいの長さにはまとめるつもりです。
書込番号:14315430
24点

アッテネータとイヤホンの周波数特性の関係を理解するために最低限必要な知識です。
● 周波数特性とは
縦軸に音圧、横軸に周波数をとってデータをプロットしたもの。
どの周波数の音がどれだけ強く出るかというイヤホンの特性を表すものです。
● インピーダンスとは
本当はもっと難しい定義がありますが、ここではインピーダンス=抵抗と考えてもらって構いません。
先程画像で例を二つ示したように、イヤホンでは周波数によってインピーダンスが異なりますが、
今回のテーマではこのことが重要となります。
● その他必要な知識
・アンプは接続するものによらず一定電圧を出力する (ボリューム操作というのはこの電圧を変えること)
・電圧が一定のとき、電流は抵抗に反比例する (オームの法則)
・イヤホンの音圧は電流に比例する
書込番号:14315529
22点

本題です。
AURVANA In-Ear2にアッテネータとして75Ωの抵抗をはさんだときの周波数特性変化について考えます。
画像は以下の一連の計算についてまとめたものです。
まず、先程のレスにあるAURVANA In-Ear2のインピーダンスを見て下さい。
ここから、AURVANA In-Ear2のインピーダンスは100Hzでは27Ω、1kHzでは41Ω、10kHzでは168Ωと読み取れますね。
● アッテネータとして75Ωの抵抗を入れると…
75Ωの抵抗を入れると全域でインピーダンスが75Ω増加します。
AURVANA In-Ear2+アッテネータのインピーダンスは100Hzでは102Ω、1kHzでは116Ω、10kHzでは243Ωとなり、
元と比べてインピーダンスはそれぞれ3.78倍、2.83倍、1.45倍になります。
● イヤホンに流れる電流はどうなるか
このとき、アンプのボリュームをいじらなければ出力電圧は同じなので、
オームの法則(電流は抵抗に反比例する)から、イヤホンに流れる電流は
100Hzでは元の0.26倍、1kHzでは0.35倍、10kHzでは0.69倍になります。
● イヤホンの音圧、周波数特性はどうなるか
イヤホンの音圧は電流に比例するので、100Hzでは元の0.26倍、1kHzでは0.35倍、10kHzでは0.69倍になります。
この変化をdBで表すと、100Hzでは−11.5dB、1kHzでは−9.0dB、10kHzでは−3.2dBとなります。
ここで、アンプのボリュームを上げて1kHzでの音圧が元と同じになるようにすると、
音圧変化は100Hzでは−2.5dB、10kHzでは+5.8dBとなり、
アッテネータの使用によって低音が減って高音が増えたことがわかります。
以上の計算から、アッテネータの使用によってイヤホンの周波数特性が変化するのは
「アッテネータを使用するとイヤホンの音圧は下がってしまうが、
元のインピーダンスが高い周波数では音圧の下がり方が小さく、
相対的に他の周波数より強められることになるから」
ということが分かります。
書込番号:14315693
26点

いろいろな種類のイヤホン、ヘッドホンで
アッテネータの使用による周波数特性への影響はどうなるのかまとめておきます。
1.一般的に、イヤホンやヘッドホンにアッテネータを使用すると
インピーダンスが高くなっている周波数は相対的に強められ、
逆にインピーダンスが低くなっている周波数は弱められます。
2.BA型では周波数によるインピーダンス差が大きいため、
アッテネータの使用により周波数特性が大きく変化します。
基本的にシングルBA型では高音よりになります。
マルチBA型では基本的にかまぼこ傾向になりますが、機種による違いが大きいので
気になる場合はそれぞれの機種のデータを見るべきでしょう。
3.基本的にダイナミック型カナルでは周波数によるインピーダンス差が小さいため、
アッテネータを使用しても周波数特性が大きく変化することはありません。
4.ヘッドホンでは機種による違いが大きいのですが、
概して影響はBA型よりは小さくダイナミック型カナルよりは大きいです。
気になる場合はそれぞれの機種のデータを見るべきでしょう。
書込番号:14315803
30点


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