


テレビやディスプレイの画質評価やキャリブレーション等含めた追い込みは、日本より海外の方がインフラが明らかに進んでおり、ハイエンドマニアのレベルも海外の方が高いのが現実です。海外には自腹で商品を購入して測定を行って結果を公表しているレビューサイトが存在しており、文系ライターの文学的修辞を雑誌等で確認するしかない日本とは状況が異なります。
海外で有名なrtingsサイトで液晶と有機を比較した測定結果がありますので、転載します。
同じソニーの液晶X9000F(海外名X900F)、X8500F(X850F)と有機A8Fを比較してみました。有機は同一メーカーの機種間の差は少ないですが、液晶は機種間の性能差が大きいので、ミドルレンジのX8500FとハイエンドのX9000Fを入れました。
元サイト
https://www.rtings.com/tv/reviews/sony/x900f
https://www.rtings.com/tv/reviews/sony/x850f
https://www.rtings.com/tv/reviews/sony/a8f
画質項目ごとの差
・コントラスト(=黒の沈み具合、大きい程良)
X9000F 5725:1(VA,部分駆動あり)
X8500F 894:1(IPS)
A8F Inf(無限大):1
有機ELのコントラストは真に無限大です。それに比べると液晶は落ちますが、VAとIPSの差も顕著と言えますね。ディスプレイの方式差に起因しますので、液晶に部分駆動をつけても有機のコントラストには遠く及びません。
・輝度(明るさ、大きい程良)
X9000F 653nit(全白)、764nit(25%)、988(10%)、828nit(2%ピーク輝度)
X8500F 520nit(全白)、521nit(25%)、520nit(10%)、521nit(2%ピーク輝度)
A8F 182nit(全白)、495nit(25%)、700nit(10%)、831nit(2%ピーク輝度)
全白は画面全体が真っ白な時、2%ピーク輝度は面積2%の白画像を出した時の輝度で、画面の平均輝度が2%の時の輝度の判定が可能です。
コマーシャルのメーカーロゴの白バックなどは全白に近い映像です。全白の最大輝度は液晶は600nitを超えます。普通のPCディスプレイの輝度がせいぜい200nitなので、その3倍になります。これでは眩しいので、メーカーの出荷時「標準」画質設定ではバックライト輝度を半分程度に抑えてあります。それでも有機よりは全白画面では明るいですね。
では実際のコンテンツではどうなるか、というと、
映画の平均輝度は約10%、地デジスポーツ番組の平均輝度は約30%になりますので、それに近い値である、10%と25%の値を見ると、有機のA8FはX8500FとX9000Fの間位の明るさを持つことがわかります。
・輝度ムラ(50%グレー、小さい程良)
X9000F 4.335%
X8500F 3.555%
A8F 1.745%
輝度ムラは液晶はハイエンドもミドルレンジも大差なく、有機ELの方がはるかに輝度ムラが少なくなります。
・黒ムラ(小さい程良)
X9000F 1.056%(部分駆動あり)
X8500F 2.113%
A8F 0.293%
黒ムラは液晶はハイエンドもミドルレンジも大差なく、有機ELの方がはるかに黒ムラが少なくなります。
・視野角特性(色シフトが起こる角度、大きい程良)
X9000F 18度(VA)
X8500F 25度(IPS)
A8F 28度
・視野角特性(輝度低下が起こる角度、大きい程良)
X9000F 48度(VA)
X8500F 34度(IPS)
A8F 64度
・視野角特性(黒浮きが起こる角度、大きい程良)
X9000F 12度
X8500F 75度
A8F 75度
視野角特性が完璧なのは、自発光である有機ELで、これはディスプレイの原理に基づく差ですので、液晶ではどうにもならないと思います。IPSパネルのX8500Fも色シフトはがんばっていますが、輝度低下は有機にはっきり劣ります。黒浮きはIPSのX8500Fが検討していますが、そもそものコントラストが1000に達しない程低いので、この結果の評価は微妙です。
・表面反射率(映り込みの明るさ、小さい程良)
X9000F 3.5%
X8500F 3.5%
A8F 1.4%
液晶の表面反射率は高く、有機の2.5倍程度明るい映り込みがあります。画面がグレア(ツルテカ)の場合、映り込みの輪郭がクリアな分、さらにダメージは大きいでしょう。ハーフグレアの場合も、映り込みの輪郭がぼけるだけで、反射して光っているところの明るさは同じです。
・色域(色再現範囲、大きい程良)
X9000F 93.93%(DCI-P3)、72.51%(REC2020)
X8500F 92.10%(DCI-P3)、70.12%(REC2020)
A8F 99.25%(DCI-P3)、75.75%(REC2020)
有機ELがトップではありますが、差は少なめとも言えます。ただソニーの場合、トリルミナスディスプレイで広色域に先鞭をつけたメーカーなので、液晶に関しても、他社よりは概して広めです。
・画素応答速度(動画特性・小さい程良)
X9000F 3.1msec(80%)
X8500F 3.8msec(80%)
A8F 0.2msec(80%)
有機ELは液晶に比べて画素応答速度は10倍以上高速です。この差は動画画質の向上に大きく貢献しますが、特にアップになった女優さんの髪の毛や服の柄などが細かく高速に動くようなシーンで顕著です。有機では服が動いても液晶の様にじわっと一時的にボケたりがありません。
・フリッカー
X9000F あり(720Hz)
X8500F あり
A8F なし
フリッカーが存在しないのは有機ELのみです。液晶はなんらかフリッカー成分が残ります。
・遅延量(画像処理にかかる遅れ時間、小さい程良)
X9000F 40.9msec(1080/60P)
X8500F 27.9msec(1080/60P)
A8F 47.4msec(1080/60P)
X9000FやA8Fは高画質処理が多い関係でX8500Fより若干遅めですが、この値そのものは目くじらを立てるほどの差ではありません。3機種とも普通にゲームをする分には十分高速と言えます。
・まとめ
有機ELが液晶に対して勝っている点は、コントラストの高さ、輝度ムラ、黒ムラの少なさ、視野角特性の広さ、映り込みの少なさ、色域の広さ、画素応答速度の速さ(動画画質の良さ)、であり、
明るさに関しては、有機のA8Fは、ミドルレンジのX8500FとハイエンドのX9000Fの間位とみていいと思います。遅延量に関しては、ハイエンドのX9000FとA8Fがやや遅いですが、3機種とも実用範囲でしょう。
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